和泉式部続集切(続集下巻)(6寸8分×2寸3分)   戻る 臨書用紙 和泉式部集へ
 
素色料紙(未晒しの楮色)が使われております。
当然滲み止め加工はしてあり、薄茶色は経年変化によるもの。


素色(しろいろ)
  

第十六紙
第十七紙付(半葉)
         第十五紙付(半葉)   
和泉式部集 続集切 第十六紙左半葉(断簡15) 素色(しろいろ) 和泉式部集 続集切 第十六紙右半葉(断簡15) 素色(しろいろ)
素色(しろいろ)




清書用 臨書用紙
 白色(しろいろ)
和泉式部 白色 宝唐草
25.0cmx36.4cm


        宝唐草



解説及び使用字母















右半葉
20.6cmx6.9cm

左半葉
20.6cmx5.0cm
続集下巻 乙類

断簡15 歌34(1308) 歌35(1309)。

( )内の歌番号は、岩波文庫本和泉式部集による通し番号



解説 第十六紙 (断簡15)

            かな                           水色文字は使用時母         解釈(現代語訳)


1308
 ひとはいさ 我たましひは はかもなき、よひの
 
 ゆめぢに あくがれにけむ
 

   さらによにあらんかぎりは、わす

   れじといひたる人に


1309
 ほどふべき いのちなりせば まことにや、わす

 れはてぬと みるべきものを

   をとこのよべのほかげに、いとよくなむみ

   
(てしといひたるに)


1308
 悲止波以散 我多万之悲波 々可母那起、夜比乃

 遊免地耳 安久可禮爾希無


   散羅仁与仁安良无可幾利波、和須

   連之止以悲太留人爾


1309
 本止婦部支 以乃知那利世八 万己止爾也、王須

 連者天奴止 美留部支毛乃越

   遠登己乃与部乃本可希爾、以止与久那武美

   
(天之止以悲太留爾)

歌番号は岩波文庫本和泉式部集による通し番号 ( )内の詞書は第十五紙にあり。

「爾」は「尓」とすることもあり。
「禮」は「礼」とすることもあり。
「与」は「與」とすることもあり。


                                  
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              現代語訳                        解釈              解説及び使用字母
 

1308
「人はいさ我魂は果敢も無し、宵の夢路に憧れにけむ」
人はさあどうだか知りませんが私の魂は何の甲斐もないですよ、夜中に夢の中で行き交う道にふらふらとさ迷い歩いていたのでしょう。



   更にこの世に生きている限りは
   忘れる事等有りませんと口走る人に


1309
「程経べき命なりせば誠にや、忘れ果てぬと見るべきものを」
時間を置くはずの命であるならば本当にあるのでしょうか、きっと忘れてしまうに違いないと予想するべきでしょうね。


   男の昨晩の燈火に照らされたお姿に、随分じっくりと
   見ていたでしょうと言ったので


 

1308
(人はさあどうだか知りませんが私の心は自分をなくしてあっけないですよ、きっと真夜中の夢路で魂が体から離れたかのようにふらふらとさ迷い歩いてしまったのでしょうね。)との意。

あくが
憧れ;うわの空になる。さ迷い歩く。「憧る」の連用形。本来いるべきところを離れて浮れ出る意を表す。

にけむ;…たのだろう。きっと…てしまったのだろう。完了の助動詞「ぬ」の連用形「に」に過去の推量を表す助動詞「けむ」。


1309
(これから先もまだ年月を過ごすはずの命であるならば、忘れてしまう事など無いと云う保証なんて本当にあるのでしょうか、それどころか忘れてしまうに違いないと想定しておくべきでしょうね。)との意を返した歌。

愛の移ろい易さを知っているので、その永続を嬉しく思うが、反面その永続性に疑心暗鬼を覚える女心が透けて見える。喜びは隠して皮肉ったもの。

 


人はいさ;人はさあどうだか(知りませんがねえ)。副詞「いさ」の後に「知らず」が省略されている。「いさ」は答えにくい事をぼかしたり、相手の言葉を否定的に軽く受け流したりするときに使う。



よべ

昨夜;昨日の夜。昨日の晩。

ほかげ
火影;燈火で見える物の形や姿。

なむ;…していただろう。きっと…するだろう。完了の助動詞「ぬ」の未然形「な」に推量の助動詞「む」が付いて、完了した内容を強く推量する。それらが動かす余地の無いものであるという強調を「な」が受け持つ。


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