装飾料紙 具引唐紙 『二重亀甲紋』抹茶色
ハガキ(3寸5分3厘×5寸2分2厘)
三椏入雁皮製 具引染 中色 全面柄雲母摺 金銀中小切箔砂子ノゲ振
抹茶色はやや渋味を持った白緑色で、お茶の新芽を摘み取って蒸した後、其のまま乾燥させた茶葉を臼で挽いて粉末にした物の色で、僅かに灰色味を持った柔らかな淡い緑色です。僅かに褐色味を加えることで、落着いた感じの深みのある色合いを醸し出したものとなります。
二重亀甲紋は亀の甲を象った六角形が二重となって連続模様を織りなすように描かれた柄になります。六角形の中に手足を広げて頭尾を付けた小さな亀をあしらっただけですが、二重になった分より力強く亀の甲らしい柄になります。亀は瑞祥の動物と見なされたことから、古来めでたい模様として衣服や調度品に応用され、紋章にもなっている。紋を摺り出した料紙も唐草を摺り出した料紙も共に唐紙と呼びます。
中色(濃色と淡色の間の濃さの色)の地色に雲母で柄を摺り出し、金銀の中小切箔砂子と金銀のノゲ(針状の金銀箔)で二ヶ所の装飾を施しております。穏かに金銀彩の煌めく様子を表現した装飾料紙です。箔や砂子の上にも墨が乗るように加工してあります。清書用加工を施しておりますので、運筆、墨の使い方等の表現方法も行い易くなっております。
抹茶色