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(やまかぜに かをたづねてや むめの花)
にほへるさとに いへゐそめけむ
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やまのかゐ たなびきわたる しらくもは
とほくさくらの みゆるなりけり
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いかにして かずをしらまし おちたぎつ
たきのみをより ぬぐるしらたま
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ここにして けふはくらさむ はるのひの
ながき心を おもふかぎりは
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つきをだに あかすとおもひて ねぬもの
を、ほととぎすさへ なきわたるかな
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さはべなる みこもえりそけ あやめぐ
さ、そでさへひぢて けふやとるらむ
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すみのえの あさみつしほに みそぎして
こひわすれぐさ つみてかへらむ
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風のおとの 秋にもあるか ひさかたの、あま
つこそ かはるべらなれ
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かりにとて 我はきつれと 女郎花、み
るにこころぞ おもひつきぬる
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つねよりも てりまさるかな 山のはの
もみぢをわけて いづる月かげ
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(也末可世仁 可遠多徒年天也 武免能花)
爾本部留佐止仁 以部為曾女个無
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也万乃可為 太奈悲支和多留 志良久毛八
東保久左久良能 美由留奈利計利
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以可爾之天 加須遠之良末之 於知太幾徒
堂起能美乎與利 奴久留之良多万
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己々爾之天 个不波久良左無 者留乃比乃
奈可支心遠 於无不可支利者
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川支遠多爾 安可須止於无比天 禰奴毛能
遠、本止々支寸左部 奈支和多留可奈
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左八部奈流 美己毛衣利曾个 阿也免久
佐、曾天左部比知天 个不也止留良无
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寸三能衣乃 阿左美川之本爾 美曾支之天
己比和春礼久左 川美天可部良无
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風乃於止乃 秋爾毛安留可 悲佐可多乃、安万
徒己曾 可波留部良奈礼
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可利仁止天 我者支川礼止 女郎花、三
留爾己々呂曾 於毛比川支奴留
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川禰與利毛 天利万佐留加那 山能葉乃
毛美知遠和个天 以川留月可个
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