三十六人集 貫之集 上 上下隅梅茶ぼかし 清書用臨書用紙(半懐紙)戻る 『三十六人集』 粘葉本 一覧へ


三十六人集 上下隅ぼかし 『梅茶・全面金銀小切箔』 (貫之集 上)   三十六人集 上下隅ぼかし 『梅茶・全面金銀小切箔』 (貫之集 上)
装飾料紙の書手本
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 ベージュ地色に梅茶上下隅ぼかし 金銀小切箔振り 花鳥折枝銀燻銀袷型打
元々は花鳥折枝金銀袷型打であったものと思われますが、手本のものが褪色していた為銀と燻銀とで行いました。
 

三十六人集 上下隅ぼかし 『梅茶・全面金銀小切箔』 (貫之集 上)   
 装飾料紙(上下隅ぼかし)の書手本 第五紙     縦6寸7分、横1尺5分5厘

歌番号は貫之集での通し番号                    青色文字は使用字母

46
 (をちかたの 花もみるべく しらなみの)
 ともにや我は たちわたらまし


   旅人の道にありて帰雁の雲
   をわけたるをみる
47
 ねたきこと かへるさならば かりがねを、か
 つききつつぞ 我は行かまし


   人の家に春花をみる
48
 わがやどの ものなりながら さくらはな、ちるを
 はえしも とどめずぞありける

   
をむなすなわちやなぎのしたによりてしじょうをひく
   女即倚柳下曳糸条
このことは心得ず
49
 はなみにも ゆくべきものを あをやぎ
 の、いとてにかけて けふはくらしつ


   ふぢの家にかかれる
50
 みどりなる 松にかかれる ふぢなれど、おの
 が心とぞ 花はさきける


   延木十五年二月三日、右大弁やす
   ただの君の故中衛門の左大殿の
   北方のおほむためにたてまつり
   たまふ五十賀の屏風歌
51
 わがやどの まつのこずゑに すむつるは、ちよ
 のゆかりと おもふべらなり



46
 (遠知可堂能 花毛美留部久 志良奈美能)
 東毛爾也我盤 太知和多良末之


   旅人乃道爾安利天帰雁乃雲
   乎和个多類遠美流
47
 禰多支己止 可部留佐奈良八 可利可禰遠、加
 徒支々川々曾 我者行可末之


   人乃家爾春花遠美留
48
 和可也止乃 毛能奈利那可良 左久良波奈、知流遠
 者衣之毛 止々免寸曾安利个留


   女即倚柳下曳糸條
己乃己止波心不得
49
 者那美爾毛 遊久部支毛乃遠 安遠也支
 農、以止天爾加計天 計不波久良之都


   不知乃家爾閑々礼留
50
 美止利奈留 松仁加々礼留 不知奈礼止、於乃
 可心止曾 花波左支个留


   延木十五年二月三日、右大弁也春
   多々乃君能故中衛門乃左大殿乃
   北方能於本武多女爾太天万川利
   多末不五十賀能屏風歌

51
 和可也止乃 末川能己須恵爾 数武川留波、千世
 能由可利止 於毛不部良奈里


( )は前項にあり。
「與」は「与」とすることも。
「爾」は「尓」とすることも。
「礼」は「禮」とすることも。
「个」は「介」とすることも。

明るい青字は下記写真の添付部分にあり。

帰雁;春のころに、北へ帰る雁の事。季語は春。
ひだりのおとど  
左大殿;左大臣を敬称して言う。単に大殿の場合は貴人の住まいの尊敬語
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三十六人集 上下隅ぼかし 『梅茶・全面金銀小切箔』 (貫之集 上)
 
 装飾料紙(上下隅ぼかし)の書手本 第五紙(足し紙)    縦6寸7分、横1尺5分5厘 

歌番号は貫之集での通し番号 『足し紙部分』          青色文字は使用字母
52
 まつとのみ おもひしものを ながれくる、たき
 はおほくの いとにぞありける

53
 なべてしも いろかはらねば ときはなる、山に
 は秋も しられざりけり

54
 うつろはぬ ときはの山に ふるときは、しくれ
 のあめぞ かひなかりける

55
 
もみぢばの まなくちりぬる このもとは、あき
 のかげこそ のこらざりけれ

52
 
末徒止乃三 於毛比之毛乃遠 奈可礼倶留、多支
 者於保久乃 以止二曾安里遣類

53
 
奈部天新毛 以呂可者良年波 止支者那留、山爾
 者秋毛 志良礼左利个利

54
 
宇徒路者奴 止支者乃山爾 不留止支波、志久礼
 能安免楚 可比奈可利个流

55
 
裳美遅者乃 末奈久遅利奴留 己乃毛止波、安支
 能可遣己曾 乃己羅左利个礼


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