93
おほかりと おもふものから さくら花、ある
ところには やすくやはゆく
いけのうへにふぢの花さきたる
94
みづのうへに さきたるふぢを 風ふけば
なみのうへにたつ なみかとぞみる
たき
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まつのおとを ことにしらぶる 秋風は、たき
のいとをや すけてひくらむ
九月晦
96
紅葉ばの わかれをしみて 秋風は
けふはみむろの 山をこゆらむ
延喜十八年女四宮の御かみあけの
れうの御屏風の歌依内裏
仰奉し
正月
97
山のはを みさらましかは 春霞、た
てるもしらで かへりぬべかりけり
二月
98
よるひとも なきあおやぎの いとなれば
ふきくるかぜに かつみだれつつ
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於本可利止 於毛不毛能可良 左久良花、安留
東己呂爾波 也春久也八遊久
以个能宇部爾不知乃花左支多留
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美川乃宇部爾 左支太留不知遠 風不个八
奈美乃宇部爾太川 奈美可止曾美留
多支
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末川能於止遠 己止仁志良不留 秋風者、多支
能以止遠也 寸个天比久良无
九月晦
96
紅葉者能 和可礼遠之三天 秋風者
計不波美武呂能 山遠己由良无
延喜十八年女四宮乃御可美安个能
礼宇乃御屏風乃歌依内裏
仰奉之
正月
97
山能者遠 美左良末之加波 春霞、多
天留毛志良天 可部利奴部可利个利
二月
98
與留比止毛 奈支阿遠也支乃 以止那礼者
不支久留可世爾 可川美多礼川々
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