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重之集  ギラ引唐紙『丸唐草』 (清書用臨書用紙)

重之集 ギラ引唐紙 『丸唐草』 花鳥折枝金銀袷絵
ギラ引唐紙 極薄茶『丸唐草(二重複丸紋唐草)』 花鳥折枝金銀袷型打 (半懐紙)


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 丸唐草右上側部分 ギラ引唐紙 極薄茶 花鳥折枝金銀袷型打
丸唐草(二重複丸紋唐草)花鳥折枝金銀袷型打は実物とは異なります。。
ギラ引唐紙(丸唐草)の花鳥折枝の柄違い代用品です。
 重之集 書

重之集 ギラ引唐紙 『丸唐草』 花鳥折枝金銀袷絵 拡大 
花鳥折枝金銀袷型打

柄を見やすくしたもの
 
丸唐草右下側部分 ギラ引唐紙 薄茶 花鳥折枝金銀袷型打
枝松・柳・紅葉・桜草・千鳥など
 
 


重之集 具引唐紙 『獅子唐草』 拡大 
 参考(具引唐紙)

花鳥折枝金銀袷型打

柄を見やすくしたもの
 具引唐紙での花鳥折枝の見え方
獅子唐草柄は光を反射しやや白っぽくに見えます。

金銀袷型打も淡い光の為やや鈍い色合いです。
 


重之集 書手本

重之集 ギラ引唐紙 『丸唐草』 第十四紙 書 拡大   使用字母
及び解説
 重之集 書 縦6寸7分、横1尺5分5厘 ギラ引唐紙『丸唐草』白雲母 第十四紙
 

歌番号は重之集での通し番号              青色文字は使用字母

   これをわろしとて、おきな

129
 恋しさは ゆめにのみこそ なぐさむれ、つら
 きはなみの こゑにざりける


130
 わだつうみの なみのかたかた 立なみは、いとうち
 はへて いづちよるらん

131
 えだもなき うらうらにさく むめのはな、かぜ
 にやどれる はるかとぞみる


   花のあはれなる事をみて
132
 ふなぢには おもふことのみ こひしくて、ゆく
 すゑもとく わするめるかな

133
 ふくかぜの しづ心なき ふなぢには、さらばよ
 といひし 人ぞこひしき

134
 宮こいでて 今日はいくかそ おぼつかな、とどめし
 人は かぞへおくらん


   大嘗ゑすきのかたたはんのくに

   くはばらのさとを題にて

135
 くはばらの さとのひきまゆ ひろひあげて、
 
(君がやちよの ころもいとにせん)



   己礼遠和呂之止天、於支那

129
 戀之左者 由女爾乃三古処 奈久左武禮、川良
 幾者奈三乃 己恵爾左利計類

130
 和太川宇三乃 奈三乃可太〜 立那三波、以止宇知
 者部天 以川遅與留良无


131
 衣太毛奈支 宇良〜爾左久 武女乃者那、可世
 爾也止礼留 者留可止処美類


   花乃安者礼奈留事遠美天
132
 不奈遅爾波 於毛不己止乃三 己比志久天、遊久
 寸恵毛止久 和春留女留可那
                   心
133
 不久可世乃 志徒心奈支 不那知爾波、左良者與
 止以比之 人所己比志支

134
 
宮己以天々 今日者以久可所 於保川可那、止々女之
 人者 可所部於久良无


   大嘗恵春支乃可太太者无乃久爾、
   久者々良乃左止遠題爾天

135
 久者々良能 左止乃比支末由 比呂比安計天、
 
(君可也知與乃 己呂毛以止爾世无)


「爾」は「尓」とすることも。
「與」は「与」とすることも。
「个」は「介」とすることも。
「礼」は「禮」とすることも。


( )黄色文字は次項にあり

129
恋しさは夢の中だけでこそ慰められるのがよい、辛く感じるのは波の聲(とめどなく押し寄せる波の砕け散る静かな音)だったのだなあ。

むまや 
駅;街道の主要な所々に馬、人足などを備えておいて旅人の利用に充てた所。

130
この広い海のあの向こうの片隅から立つ波は、随分遥か彼方のどの方向から押し寄せてくるのだろうか。。

かたかた
片方;かたほう。片隅。

いづち
何方;どの方角。どちら。

131
(梅の)枝さへもないのに浦々で咲いているかの様に梅の花(の香り)が感じられるのは、まるで(梅の花の精が)風に宿っているかの如くにうららかな春かと思いましたよ。

132
船の旅では(何をすることもなく)思うことばかりで、離れている人の事がどうしようもなく慕わしく切ないほどに心惹かれて、この進んで行くずっと先には呪縛から解き放たれて忘れられるらしいのだがなあ。

133
吹いてくる風の何と穏やかなことだろう、心慌ただしい船旅には、さようならですよと言っていた人がどうしようもなく恋しいですよ。(風は穏やかであるのに、自身の心だけが慌ただしく騒めいている様子を詠ったもの)

しづごころ
静心;穏やかな落ち着いた心。静かな心。

134
都を旅立って今日で一体何日経たのかはっきりしなくて、後に残して置いた人は算木などを数え置いたりして計算しているだろうか。

おぼつかな
覚束無;物事がはっきりとしない状態。気掛りに思う。

135
桑原の里の一つ一つの繭を拾い集めて、貴方様が永遠に続きますようにと着物の糸に仕立てようかと思っておるのですよ。

ひきまゆ
匹繭;一匹の蚕の作った繭。



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みなもとのしげゆき
                                                            とうぐうぼう とねりのつかさ
源重之;平安中期の歌人で、左馬助・相模権守を歴任、三十六人歌仙の一人として旅の歌を好んで残している。春宮坊の舎人監の役人の筆頭者として、皇太子の護衛に当たっていた時、後の冷泉天皇となる皇太子に奉った百種は、現存する最古の百種歌となっている。生年及び没年不詳。〜1000年頃と考えられている。


                                                                     
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