和泉式部続集切(続集下巻)(6寸8分×3寸4分)   戻る 臨書用紙 和泉式部集へ
 

薄黄茶色料紙(黄檗蘖色)が使われております。
当然滲み止め加工はしてあり、薄茶色は経年変化によるもの。

茶色(薄黄茶色)
  

第十二紙(一葉)
和泉式部集 続集切 第十二紙(断簡12) 茶色(薄黄茶色)
茶色(薄黄茶色)




清書用 臨書用紙
 青灰色(薄浅葱色)
和泉式部 青灰色 獅子唐草
25.0cmx36.4cm


        宝唐草





解説及び使用字母














20.6cmx10.2cm
続集下巻 乙類

断簡12 歌31(1283)歌32(1284)。

( )内の歌番号は、岩波文庫本和泉式部集による通し番号



解説 第十二紙 (断簡12)

            かな                            水色文字は使用時母        解釈(現代語訳)


   またおなじことかたらふ女方たちのもとに

1283         ばかり
たなばたに おとる許の なかなれど,こひわたらし

な かささぎのはし


   七月八日、男のもとにやるとてよませし

1284
いむとてぞ 昨日はかけず なりにしを,今日ひこ

 ぼしの 心ちこそすれ


 


   末多於奈之己止可太良不女方太知乃毛止爾

1283
太那八多爾 於止留許乃 奈可那禮登,己比和多良之

奈 可佐々支能八之 


   七月八日、男乃毛止爾也留止天与末世之

1284
 以武東弖曾 昨日波可个寸 奈利仁之遠,今日比己

本之能 心遅己曾春礼



歌番号は岩波文庫本和泉式部集による通し番号

をんながた
女方;女の集まり。女の側。女のいる所(特に台所)。




逸翁美術蔵


「爾」は「尓」とすることもあり。
「禮」は「礼」とすることもあり。
「与」は「與」とすることもあり。
「弖」は「天」とすることもあり。

                              
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              現代語訳                        解釈              解説及び使用字母
 


   又もや同じことを語り合っているご婦人連中の所で、


1283
「七夕に劣るばかりの仲なれど、恋渡らじな鵲の橋」
七夕には遠く及ばないだけの仲ではありますが、恋い慕い続ける事なんて出来ないなどと思いなさるな鵲の橋よ。



   七月八日、男の元に届けに行かせて詠ませた、


1284
「忌むとてぞ昨日は掛けず成りにしを、今日彦星の心地こそすれ」
避けるべきだと思って昨日は掛けずにおったのですが、今日は彦星の気持ちがよく解りますよ。



 

1283
(七夕の織姫と彦星の間柄には遠く及ばないだけの仲ではありますが、恋しても鵲の橋を渡る事なんて出来ないから恋い慕い続ける事なんて出来ないなどと思いなさるなよ。)との意で、思うだけ虚しいですよと詠んだ歌。

渡らじな;渡らない心算になるな。渡れないことなど無い。動詞「渡る」の未然形「渡ら」に打消しの特殊型助動詞「じ」の終止形「じ」更に禁止の終助詞「な」の付いた形で、打消しの意志・推量を禁止する意を表す。


1284
(忌明けもしてないので避けるべきだと思って昨日は貴方に思いを掛けない様にしてにおったのですが、今日は年に一度しか逢う機会のない彦星の気持ちがよく解りますよ。)との意。

掛けず;心に留めない。心を託さない。動詞「掛く」の未然形「掛け」に打消しの意の特殊型助動詞「ず」

 



かささぎのはし             けんぎゅう しょくじょ
鵲の橋;陰暦七月七日の夜、牽牛・織女の両星が天の川で逢う折に、翼を広げた鵲が連なって掛け渡すと云う想像上のの橋。中国伝来の『淮南子』に書かれており、七夕伝説と共に我が国に伝わり、逢瀬に渡す橋として和歌などに多く詠まれた。

かささぎ カラス                                   
鵲;烏よりも小さくて尾が長く、黒緑色の体で肩と腹が白い、日本では九州の一部に分布する天然記念物の鳥の名。七夕伝説で知られる。古くから歌に詠まれている鷺の一種の「笠鷺」(アオサギ或はコサギ)とは別の物と捉えられている。


 い
忌む;禁忌であるので決して触れてはならぬ、口にしてはならぬなどとして避ける。相容れないものとして拒絶する。また、身を慎む意で、穢れを避けて身を浄め慎む。

いみあ
忌明け;服喪の期間が終わる事。産後などの穢れの期間が終わる事。




                                                                  ページトップ アイコン
 


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