和泉式部続集切(続集下巻)(6寸8分×4寸4分)
素色料紙(未晒しの楮色)が使われております。
当然滲み止め加工はしてあり、薄茶色は経年変化によるもの。
茶色(薄黄茶色)
第十三紙(一葉) 茶色(薄黄茶色) |
清書用 臨書用紙 素色(極薄黄茶色) 25.0cmx36.4cm 宝唐草 解説及び使用字母へ 20.6cmx13.3cm |
続集下巻 乙類 断簡13 歌33(1290)歌34(1291)。 |
( )内の歌番号は、岩波文庫本和泉式部集による通し番号 |
かな 水色文字は使用時母 解釈(現代語訳)へ
えてさらにあはじなどいひてのち またいきて 1290 しのぶれど しのびあまりぬ いまはただ,かかり けり君 なをぞたつべき おなじやうなる人に 1291 ひととはば なにによりてぞ こたふべき, あやしきまでも ぬるるそでかな |
要弖散良爾阿波之奈止以比弖乃知 末多以支弖 1290 志乃不連東 之乃日安満里奴 以末者太々,加々利 个利君 奈遠所多徒邊支 於那新也宇那留人爾 1291 悲止々盤々 那爾々夜利弖曾 古太婦部支, 安也之支満弖毛 奴留々所天可奈 |
歌番号は岩波文庫本和泉式部集による通し番号 個人蔵 |
「弖」は「天」とすることもあり。 「爾」は「尓」とすることもあり。 「个」は「介」とすることもあり。 ページ ![]() |
現代語訳 解釈 解説及び使用字母へ |
その上、例の人がもう会わないなどと言って後、 又行って 1290 「忍れど忍び余りぬ今は只、掛りけり君名をぞ絶つべき」 隠しておりますが隠しきれておりませんので今は只、拠り所としていた貴方様の名前をこそ断ち切ってしまうべきでは。 同じ境遇であるような人に、 1291 「人問はば何に依りてぞ答ふべき、妖しきまでも濡るる袖かな」 人が訪ねて来たなら何によってお答えするべきでしょうか、不思議なくらいにも濡れてしまっている袖ですことよ。 |
え て 得手;例の人。相手にそれと通じる場合、特に具体的に名を出さないで云う語。例の場所。例の物。など 1290 (身を隠しておりますが名を知られて隠しきれておりませんので今は只、拠り所としていた貴方様の名前をこそ忘れ去ってしまおうと思っておりますよ。)との意で、強がってはおりますが出来てはいませんと詠んだ歌。 じ;。…すまい。…ない心算だ。打消しの意思を表す。 1291 (私の安否を誰かが訪ねて来て下さったとしたなら、如何繕ってお答えするべきでしょうか、不思議なくらいにも涙に濡れてしまっているこの袖ですことよ。)との意。 何に依りて;体裁を整える為に何を理由として。 |
じ;助動詞「む」の打消しに当たる語。「む」はまだ起こらないことを想像して述べる語。 今より後の事態を推量して述べる。…だろう。 話し手の動作に付いてその実現を願う意志・決意を表す。…しよう。 相手の動作に付いてその実現を期待する勧誘や軽い命令を表す。…するのがよい。…して欲しい。 適当・当然の意を表す。…するのがよい。…すべきである。 などの意の打消しに当たる。 ページ ![]() |
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