和泉式部続集切(続集下巻)(6寸8分×3寸9分)
染紙料紙が使われております。
料紙は漉目のない厚手の楮紙が使われている。
当然滲み止め加工はしてあり、薄浅葱色で染められた料紙に牡丹らしき柄が施されている。
灰青色(薄浅葱色)
第二十九紙(一葉) 灰青色(薄浅葱色) |
清書用 臨書用紙 青灰色(薄浅葱色) 25.0cmx36.4cm 宝唐草 解説及び使用字母へ 不明の下草 牡丹かと思われる 或は宝相華か 20.6cmx12.6cm |
続集下巻 乙類 断簡26 歌65(982)歌66(983)歌67(984)。 |
( )内の歌番号は、岩波文庫本和泉式部集による通し番号 |
かな 水色文字は使用時母 解釈(現代語訳)へ
981 たづねて いかぬみちなり 982 みをわけて なみだのかはの ながるれば,こなた かなたの きしとこそなれ 983 あかざりし きみをわすれむ ものなれや、 あれなれかはの いしはつくとも 984 あけたてば むなしきそらを ながむれど、それ ぞとしるき くもだにもなし |
981 多川禰弖 以可奴美知奈利 982 身遠和希弖 奈三多乃可波乃 奈可留礼盤,己奈多 可奈太乃 幾之止己曾奈禮 983 安可佐里之 幾美遠和春礼无 毛乃奈禮也、 安礼奈礼可波乃 以之波川久止无 984 阿希太弖波 无奈志支所良遠 奈可武礼止、曾礼 曾止之流支 久无太爾无奈志 |
歌番号は岩波文庫本和泉式部集による通し番号 |
歌981の上の句は?。 「爾」は「尓」とすることもあり。 「弖」は「天」とすることもあり。 「禮」は「礼」とすることもあり。 ページ ![]() |
現代語訳 解釈 解説及び使用字母へ |
「…訪ねて行かぬ路なり」 982 「身を分けて涙の川の流るれば、此方彼方の岸とこそなれ」 この身から離別して涙の川の様に流されれば、あちらこちらの岸には成れると云うのに。 983 「飽かざりし君を忘れむ物なれや、あれなれ川の石は尽くとも」 嫌になる事などありませんよ、貴方を忘れ様とすることなどあるものですか、荒れ慣れている川の石が無くなろうとも。 984 「明け立てば虚しき空を眺むれど、其れぞと著き雲だにも無し」 夜明けになれば虚しい空を眺める事に成るが、其れだとはっきりと判る雲さへも無いことよ。 |
982 (この身が別れて涙となり流された悲しみの涙が川の様に流されれば、それを受け止めるあちらこちらの岸には分身としての涙が成れるはずでしょう。)との意で、悲しみを堪える術を詠んだ歌。 とこそ;…となるはずである。…と云うのに。格助詞「と」に強意の係助詞「こそ」の付いた形で、「と」の受ける内容を強める意を表す。 983 (飽きてしまう事なんて有りません、まして貴方を忘れるなんてことは御座いませんよ、例えいつも荒れている川の川底の石が水に流されて無くなってしまうような事に成ろうとも。)との意で、どんなに大変な事に成ろうとも、貴方のことは決して忘れないですよと詠んだ歌。 984 (夜明けになれば独りだけの虚しい空を眺める事に成るが、見て直ぐに虚しさを醸し出す標だとはっきりと分かる雲さへも無いことよ。)との意。 明け立つ;夜明けになる。 しる 著き;はっきりしている。際立っている。形容詞ク用法「しるし」の連体形「著き」。 |
983参考 荒れ慣れ;「あれなれ」との掛詞。また「川」と「側」、「石」と「意志」との掛詞と取ると、 (飽きてしまう事なんて有りません、まして貴方を忘れるなんてことは御座いませんよ、例え何時も荒れている川の川底の石が水に流されて無くなってしまうような事に成る様に、元のままの心の恋しい意志が底を尽いて無くなって終うようなことに成ろうとも。)との意で、どんなに極端な状態になろうとも、との意とも取れる。 984参考 「明け立てば虚しき空を眺むれど、其れぞと知る気雲だにも無し」 (夜明けになれば独りだけの虚しい空を眺める事に成るが、見て直ぐにそれと分る気分(=虚しさを醸し出す標)の様な雲さへも無いことよ。)との意とも取れる。 ページ ![]() |
清書用 臨書用紙
正規品の清書用については、お近くの書道用品店でお求めになれます。
正規品の価格についてはこちら