和泉式部続集切(続集下巻)(6寸8分×4寸)
素色料紙(未晒しの楮色)が使われております。
当然滲み止め加工はしてあり、薄茶色は経年変化によるもの。
茶色(薄黄茶色)
第三十一紙(一葉) 茶色(薄黄茶色) |
清書用 臨書用紙 茶色(薄柿茶色) 25.0cmx36.4cm 宝唐草 解説及び使用字母へ 20.6cmx12.2cm |
続集下巻 乙類 断簡28 歌70(1060)歌71(なし)。 |
( )内の歌番号は、岩波文庫本和泉式部集による通し番号 |
かな 水色文字は使用時母 解釈(現代語訳)へ
ききて 1060 それながら つれなく人は ありもせよ,あらしと おもはで とひけるぞうき わがみやにちぢまいりける人に 歌71 このみちの やらんめぐさに いとどしく,めにのみ さはる すみぞめのそで つくづくとほれてもののおぼゆれば |
支々天 988 曾禮奈可良 川禮奈久人波 安利无世与,安良之止 波 於无日弖 止日計留所宇支 和可三也爾知々末以利个留人支 991 己乃見知乃 也良无女久左爾 以止々之久,女爾乃美 左波留 須見所女乃所天 徒具~止保禮弖毛乃々於保由禮波 |
歌番号は岩波文庫本和泉式部集による通し番号 救世熱海美術館蔵 |
「爾」は「尓」とすることもあり。 「禮」は「礼」とすることもあり。 「与」は「與」とすることもあり。 「弖」は「天」とすることもあり。 ページ ![]() |
現代語訳 解釈 解説及び使用字母へ |
1060 「其れ乍らつれなく人はありもせよ、有らじと思はで訪ひけるぞ憂き」 其のまま素知らぬ顔でいることも大事ですよ、そんな事は無いと思わないで訪れてしまう事こそうっとうしいことですよ。 私の屋敷に次々と訪れて来る人に、 歌71 「この道のやらん愛さにいとどしく、目にのみ障る墨染の袖」 この道の可愛らしさでしょうか、いよいよ激しい目障りな墨染の袖ですことよ。 しんみりと悟る事が出来て色々と思い出されるので、 |
1060 (人は其のままの状態で知らんぷりしていることも大事ですよ、私に対してよそよそしい事などあるはずが無いなどとは思わないで訪れてしまう事こそ煩わしいことですよ。)との意。 其れ乍ら;そのまま。そっくり。 千々;数の多い様。色々な様。さまざま。 歌71 (涙を見せる事が女の武器としての可愛らしさという事なのでしょうか、そうでなくても気にかかるのに、より一層目障りになる涙に濡れて黒ずんだ染み跡の様なこの袖ですことよ。)との意。 すみぞめ 墨染;墨汁で黒く染める事。またそのように染めた様な色。喪服。 とほ 通る;察知する。理解する。 |
やらん;…であろうか。(疑いの意を持った推量。)…ということだ。(断言しないで柔らかく言う婉曲叙法として用いる。) めぐ 愛さ;可愛らしさ。愛おしさ。また、いたわしさ。かわいそうな様子。にも いとどし;いよいよ甚だしい。そうでなくても…なのに、よりいっそう。 つくづく;物思いに耽る様子。することもなく物寂しい様子。また、念を入れて物事を見る様。 最後の詞書は「つくづくと惚れて物の覚ゆれば(よくよく好きになって物事が思い出されて)」と取ることも出来る。 ページ ![]() |
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