和泉式部続集切(続集下巻)(6寸8分×4寸6分)
染紙料紙が使われております。
料紙は漉目のない厚手の楮紙が使われている。
当然滲み止め加工はしてあり、薄浅葱色で染められた料紙に雲龍紋らしき柄が施されている。
灰青色(薄浅葱色)
第三十五紙(一葉) 灰青色(薄浅葱色) |
清書用 臨書用紙 青灰色(薄浅葱色) 25.0cmx36.4cm 宝唐草 不明の下草 茅と蕨かと思われる 或は松葉蘭か 解説及び使用字母へ 20.6cmx14.0cm |
続集下巻 乙類 断簡32 歌77(1345)歌78(1346)。 |
( )内の歌番号は、岩波文庫本和泉式部集による通し番号 |
かな 水色文字は使用時母 解釈(現代語訳)へ
春月のあかき夜いとしくいりふ して 1349 ぬるほども しばしもなけば やまるれば、 あたらこよひの 月をだにみず ものにまうでたるに、いとたう とく経よむ法師のあるをきき て 1350 ものをのみ おもひのいへを いでて こそ、心のどかに のりもききけれ |
春月能安可支夜以止之久以利布 之天 1349 奴留本止无 志盤之毛那遣者 也万流礼盤 安太良己与比乃 月乎多仁美数 毛乃爾万宇天堂留爾、以止多宇 止久経与武法師乃安流乎幾々 天 1350 裳乃乎能見 於无比乃以部乎 以天々 己所、心乃止可爾 乃利毛支々希礼 |
歌番号は岩波文庫本和泉式部集による通し番号 「やまるれば」の「れば」の「礼」「盤」の文字が一部 重なって書かれている。 |
「爾」は「尓」とすることもあり。 「礼」は「禮」とすることもあり。 「与」は「與」とすることもあり。 ページ ![]() |
現代語訳 解釈 解説及び使用字母へ |
春の月の明るい夜に愛おしく思いながら 床に横になって、 1345 「寝る程も暫しも泣けば止まるれば、可惜今宵の月をだに見ず」 眠るまでの少しの間だけでも泣けば治まると思ったのに、惜しい事に今夜の月さへ見ずじまいでしたよ。 あるお寺に参拝した際に、たいそう立派で近寄り難く お経を読まれる法師がいると聞きまして、 1346 「ものをのみ思いの家を出でてこそ、心長閑に法も聞きけれ」 思い悩んでばかりの家を出て行ってこそ、心静かに仏の教えも聞く事が出来るというものですよ。 |
1345 (眠るまでのほんの少しの間だけ泣けば悲しい気分も治まると思ったのに、もったいない事に今夜の清らかな明月までを見ずじまいでしたよ。)との意で、滅多に無い春の明月を見損うほど悲しんでしまったと詠んだ歌。 あたら 可惜;もったいない事に。惜しくも。 たうと(たふと) 貴し;尊敬すべきである。品位が高く優れている。 1346 (お坊さんが出家するように、思い悩んでばかりの家を出て行ってこそ、のんびりと落ち着いて仏の教えも聞く事が出来るというものですよ。)との意。 のり 法;仏法。仏の教え。 |
はるづき 春月;春満月。「秋の月はさやけきを賞で、春の月は朧なるを賞づ」と昔から云われているが、おぼろ月に限らず滅多に出会えない澄んだ暖かな感じの春月にも、また春の月の趣がある。 ぬ 寝る;眠る。横になっる。文脈によっては男女が共寝をする。ナ行下二段動詞「ぬ」の連体形「寝る」。 こころのどか 心長閑;心が穏やかな様。心静かでのんびりとしている様子。 ページ ![]() |
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