拡大図
見返し料紙 花唐草雲母摺装飾料紙 
見返し料紙部分
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拡大図 桂本万葉集
見返し料紙
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白色の具引地に白雲母で花唐草を摺り出し、全面に大小の金切箔を散らしたもの。
かなり見辛いですが、ご了承下さい。
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表紙 桂本万葉集(桂万葉集) |
花押
(伏見天皇)
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表紙 桂本万葉集 縦26.9cmx横25.8cm 第一紙背
灰緑の地色に金砂子で霞の暈しを施し、大中小の切箔を散らした金彩料紙で作られた物。
表紙と第一紙継ぎ目中央付近にあるのが、伏見天皇の花押。花押が半分しかないのは、表紙と第一紙との間に少なくとも1枚分以上の料紙が存在し、後年その部分が抜き取られた証。 |
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花押(表紙・第一紙背継ぎ目)
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伏見天皇の花押(半切花押)
「此の一軸は芳春院加賀大納言利家が室なり 年来、所持せり。紀貫之自筆の奥書有。而して、関白秀次公の御所望に依り、見参に入るるの処、端と奥書を截り、手鑑に押さるると、しかじか。(原文は漢文)」
の外箱内裏書在り。果たしてこれがこの時に切られたためのものであるのか、将又それ以前に既に半切と成っていたのかは計り知れないが、何れにせよ同様の理由によってもたらされた物であろう事は、想像に難くない。
同様に巻末も半花押と成っている。又、第九紙と第十紙の継ぎ目では花押に若干のずれが生じている。(この間の和歌586~737の152首分が欠落していることからこのずれとも対応する。ちなみに、巻首の欠落は45首、巻末の欠落は3首である。)
尚、栂尾切万葉集は幾つかの片葉が存在するが、何れもこの巻第四集の断簡である。
栂尾切の名の由来は明らかでないが、この地名の一帯には、鳥獣戯画絵巻で有名な高山寺がある。(寺からの栂尾切の発見の報は無いが、遠い昔或は和尚が秘密裏に換金したのかも?)
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花押(紙背第十四紙・第十五紙継ぎ目)
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伏見天皇の花押(通常はこの状態)
水グレー色に見えるのが第十四紙背、その右側に見えるのが第十五紙背、継ぎ目部分中央やや下寄りに見えるのが花押。お気づきと思われるが、継ぎ目毎に花押の縦位置が少しづつ違えてある。(花押は勿論、散逸を防ぐために設けるものだが、後年ばらして修復する際の錯簡を防ぐための物でもある。)
写真では金銀の下絵が輝いておりませんが、文字を見易くする為です。ご了承下さい。(手に取ればちゃんと金銀に輝いて見えます。)
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