三椏入雁皮製 ｳｽｲ具引 全体ぼかし 金銀青金砂子磨出し 金銀青金中小切箔振
濃色の地色に全体ぼかしを入れ、金銀青金の砂子で画面全体に無数に浮雲風の粉状斜め交叉砂子を施して磨出しを行っております。金銀青金の三色の砂子を使って一面に唐草柄を摺出し穏かに珠の煌めいてゆく様子を表現した装飾料紙です。その斜め交叉の一部に天地に金銀青金中小切箔を散らして、砂子よりも強めの輝きを表現して立体感を醸し出す加工をした料紙です。更に花鳥折枝金型打を施して平安王朝宜しく、花を愛で、鳥の声を聞く風雅な心と折枝を挿頭としてもてなす伝統的遊び心を持ち合わせて歌を綴る為の料紙となります。三椏入り雁皮を使い薄具を使用して本鳥の子に近い書き味になるような加工を行っております。
全体的に濃色やや淡目のトーンにして、豪華な煌めきの中にも朧げな雰囲気を醸し出してみました。ｳｽ具引きですので、染の物に比べて若干筆の抵抗が感じられるように仕上げてあります。扇面に抜いても短冊や寸松庵に切っても、何れにでも磨出しが入るように加工した使い勝手の良い料紙と成っております。
箔や砂子の上にも墨が乗るように加工してあります。清書用加工を施しておりますので、運筆、墨の使い方等の表現方法も行い易くなっております。
